信大付属図書館(松本市)は16日、昼休みの30分間を利用して同大の研究者が学生に向け研究内容などを話す「学習の楽しさを伝える図書館講演会」を、同館で始めた。学生に図書館に親しみを持ってほしいと企画。初回は同館長で信大副学長の笹本正治教授(日本中・近世史)が「信大の宝物『上越秋山紀行』を語る」と題して話し、学生や市民ら約30人が聞いた。 「上越秋山紀行」は、江戸期に商人や文筆家として活躍した鈴木牧之(ぼくし)が1828~29年に秋山郷(下水内郡栄村)などを旅して記した風俗や習慣の記録。信大が持つ国内有数の山岳関係蔵書「小谷(こたに)コレクション」に当時の本がある。 笹本教授は秋山郷の住居や人々の服装を描いた挿絵とともに内容を紹介。「200年前は自給自足の生活だったが、今の私たちの食料自給率は約4割。200年前が遅れていたとみることもできるが、私たちの方が異様な状態なのかもしれない」と指摘。「