アニメ業界の片隅で生きる著者・おふとん犬が、業界の片隅で拾ったさまざまな話題を取り上げて解説します。第6回は、とある新番組に向けて行われた、出演声優オーディションの体験記。スタッフの一員として審査に参加したことで、見えてきたものについてお話します。 とある新番組のスタッフの一員として、出演声優オーディションで審査をする機会がありました。オーディション参加声優は、実に数百人。朝から晩まで実に12時間近く、音響スタジオにこもって演技に耳を傾けるわけですから、審査員にも体力と忍耐力が求められます。休憩時間は30分ほど。スタジオの手配して下さった弁当が、唯一の心の安らぎでした。 オーディションに挑む声優には、自分の番が終わるまで、そんな安らぎすら与えられません。せっかく巡ってきたチャンスです。5分から10分という短い間に、持てる力のすべてを出し切らねばならないわけですから、緊張するのも当然です。収