季節は春休みだ。多くの人でにぎわっているはずの箱根が閑散としている。 「自粛もあるけど、計画停電の方が影響が大きいんです」 ちょっとのぞいた旅館のスタッフがそう漏らした。 箱根地域の計画停電は、ちょうど夕食の時間と重なる。客の楽しみは食事。その食事の時間が真っ暗になる。旅館にとって、この時間帯の停電は、もっとも打撃が大きい。 この週末は計画停電がなかった。しかし、それがわかったのは直前のこと。このような状況で、集客などできない。 サービス業の現場は日に日に深刻になっていく。団体客は消え、廃業のうわさばかりが広まっている。 しかし、旅館によっては、個人の宿泊客の予約が少しずつ入り始めているという。震災前の水準にはほど遠いが、わずかな光明が出てきた。 先週、改めて全国の旅館や飲食店、小売業の経営者にコンタクトをとった。しかし、どの経営者も口が重い。発言が出てしまえば、営業にどのような影響が出る