私がナビタスクリニック新宿で診療を始めて2年が経過した。ナビタスクリニックとは、駅ナカのコンビニクリニックである。2008年に久住英二医師らを中心に立川駅ナカに立ち上げた(写真1)。その後、川崎駅と新宿駅にもクリニックを開設した。久住医師はインフルエンザや麻疹、風疹が流行すると、コメンテーターとしてしばしばテレビに登場するので、ご存じの方も多いだろう。 彼は新潟大学を卒業した血液内科医で、虎の門病院などで勤務した後、コンビニクリニックという新しい形態を立ち上げた。当時、世間では「医療機関のコンビニ受診は怪しからん。医師が疲弊するのでできるだけ避けるように」という論調が強かった。世間の常識の逆を張ったことになる。 ナビタスクリニックでの診療を経験し、私は改めて医療の多様性を実感する。ナビタスクリックの受診患者の大半は20~30代で(図1)、7割が女性だ。18時以降に患者が急増し(図2)、患者