(英エコノミスト誌 2010年8月28日号) 米国は傷だらけの10年間を過ごしてきた。だが、この超大国とオバマ大統領を過小評価すべきではない。 米国のバラク・オバマ大統領が、イラクから米軍戦闘部隊が完全に撤退したと正式表明する時、確実に予想できることが1つある。それは、オバマ大統領が、7年前にジョージ・ブッシュ前大統領がイラクでの使命は達成されたと示唆した時のような勝ち誇った態度は取らないだろうということだ。 オバマ大統領は常にイラク戦争を「愚かな」戦争だと見なしてきたし、一連の出来事は彼が概ね正しいことを証明してきた。 米国とその同盟国は中東から血にまみれた独裁者を排除したかもしれないが、サダム・フセイン自慢の大量破壊兵器は幻想だったことが分かり、代償として恐ろしく多くの米国人の命、そしてそれ以上にイラクの人々の命が失われてきた。 イラクは、確かに、もはや独裁政権ではなくなった。2007