ナショナリズムの狭間から 作者: 山下英愛出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2008/07/10メディア: 単行本 クリック: 15回この商品を含むブログ (8件) を見る著者の山下英愛(ヤマシタ・ヨンエ)さんは、在日朝鮮人のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれた女性だが、両親が法的結婚をしていなかったため、母親の戸籍に登録され「日本国籍」を持つことになった(本書より)。 80年代の終わりごろ韓国に留学し、女性学の研究を行ううち、おりから湧き起こった「慰安婦」問題の運動に関わることになり、いわゆる「挺対協」の活動に深くコミットすることになるが、そのなかで、韓国における「慰安婦」問題の取り扱われ方、運動のあり方(その過度に民族主義的な性格)に疑問を持ち、批判を向けていくことになる。 その考えをまとめたものが本書である。 著者によれば、韓国で「慰安婦」問題の解決運動が広く沸き起こった当初