最近、拙論「井上達夫氏の新著と憲法論」2,015 7・7に対して批判をいただいた。 http://eumajapan.blog.fc2.com/blog-entry-150.html ありがたいことである。これに似た立場の方がほかにも多数いると思うので、いくつかの論点について応答してみよう。 もとより、政治的判断については非常に複雑な多数の要素を考慮したり、前提にせざるを得ないため、数学のような確実性は期し難く、また私自身も経験による免れがたいバイアスもあるだろうため、容易に相手を説得できるとも思わないが、自他ともに対して、ある程度の議論の整理や明晰化には資するかもしれないので、以下ざっくばらんに、またラプソディックに論じてみることにする。 批判者は「国民の生命財産を守る国防をどう構築すべきかが最優先の問題であって、…人権や自由や平和主義を守って国土を侵略され国民が死ねば元も子もない」と論