増え続ける凶悪事件、世論は歪んだ社会構造が凶悪事件を生み出すと信じていたが、マスコミは未だにゲーム脳に冒された者こそが犯罪予備軍と主張した。人々はそんなマスコミの言い分、またか、と言って、彼らのいうことを聞き流していた。 ところが、そんな認識を覆す出来事が起こる。とある海外の脳科学者チームによって、ゲーム脳こそが凶悪犯罪を起こすものだと発表された。その数ヵ月後、同脳科学者のチームはゲーム脳の解明に成功し、それを食い止めるための薬品を完成したのだ。 脳の海馬の近くにある「ベンゾジアゼピン受容体」の機能不全や、側頭葉の内側にある扁桃体の機能不全を復活させる。つまり、ゲームによって退化した脳の組織を生き返らせるカプセル状の薬品が生み出されたのだ。 いくつものの臨床実験を重ねて、副作用が出る可能性が0.0001%以下という数値を打ち出した。そのクスリは口にするとチョコのように甘いが、麻薬のような依