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レビューに関するnstrkdのブックマーク (18)

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 浅野いにお論(原口 丈太郎)

    【解題】 浅野いにおについては、04年度後期の立教の講義でも、今度の05年度前期の早稲田の講義でも扱った。若いし、短篇連作の各話に微妙な接合点をもつせる構成・話法が緻密だし、マンガ的な通常のデフォルメから果敢に離反を企てているし、人物の科白に「リアル」があるし・・・ ただ、原口くんのいうとおり、絶望と希望とを綯い交ぜにして提出してくる主題ににたぶん、時代の気分にかなったものがあるのだろう。のべたらな絶望も希望も、現在にあってはウソになる。それらのブレンド、その具合だけに、「リアル」に辿りつく何かが刻印される。その意味で浅野は非常に微妙な才能だし、それをこのむ読者も非常に微妙な感性だ--そういうことになるだろう。みんな冷めているけど、まだすべてを「捨ててはいない」のだ。 原口くんの感性が最も微妙な点は、浅野の人物たちの服装センスや睫毛を描写するくだりにあるとおもう。原口くんの視線は、浅野の画

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 曲解スピッツ(舛田麻奈)

    【解題】 か、可愛い。この舛田麻奈さんのレポートは可愛い。オヤジ殺しだ。 構造はこうなってる。「みんなはスピッツって無難だっつーけど、あたしはみんなスピッツに騙されてるとおもう。スピッツってヤバさなんだよ。ってヤバさにこだわるあたしが妄想女なのか?」。その自問自答が、その不安混じりの処女臭が、オヤジ泣かせなのだった。でも果敢に彼女は自分の直観を、展開的に立証してゆくことになる。 で、舛田テーゼ1:「スピッツは徐々に変わっている」。2:「スピッツは男臭い」。3:「スピッツは死も唄う――それが生に反転する」。4:「スピッツはスケベ」。5:「スピッツは泥臭い」。6:「以上もろもろをスピッツは表面から隠している」。「気をつけなさい」ってことだ。 実は俺は、以前、「Jポッパー比較論」(現在は『椎名林檎vsJポップ』所収)の雑誌初出時にスピッツをやりこめたことがある。とくに無変化を言い募った。あるいは

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 浅井健一試論(山口竜侍)

  • 阿部嘉昭ファンサイト: ナンバーガール論(斉藤 裕加)

    【解題】 ZAZEN BOYSへの異議の解題を書いたあとに、斉藤裕加さんのこんなストレートなナンバーガール論を読むと、心が洗われる。用語適確、把握適確、歌句抜粋適確、文体適確。ナンバガは男のように書くべし――そういうことだ。 で、パンキッシュな歌詞の要諦とは、日語文脈ではゴツゴツ感だと俺はおもうが、向井坊主の法話性は確実に狂った演説の「狂言綺語」に成り代わるゴツゴツ感をもっていた。斉藤文体はそこに迫っている。彼女の質はパンクなのかな? それと。やっぱりこの斉藤さんのレポートを読むと、「ナンバガはよかったなあ」と懐かしさに眼が潤んでしまう。あ、禁句だ! このレポートは、『少女機械考』刊行以後の俺に、以前書いた自身のナンバガ論(『椎名林檎vsJポップ』所収「Jポッパー比較論」内)を書き足せと迫る、悪戯っぽい強制力を伴っている。斉藤さん、この二つを読んでいるのか? 斉藤さんは向井詞の勘所がわ

  • 阿部嘉昭ファンサイト: ブランキー・ジェット・シティ (安達 美和)

    【解題】 かつて椎名林檎がブランキーのモースト・フェイバリット盤は? と訊かれ、『国境線上の蟻』と応えたことがあった。ベンジー命の彼女にしては、「エーッ? なんでベスト盤?」という不満や疑義が飛んだが、この安達さんのレポートをみて、わかった。再収録された曲が、その曲順によって別の表情を湛えている構成力を、たぶん林檎は評価したのだ。 安達美和さんは1曲目と最終曲に生-死の静けさを見、そのあいだに挟まれた曲に、ブランキーならではの不穏な雑世界を感じている。しかも、曲同士の偶然の隣接性によって、それぞれの歌の主体に同一化の擬制が起こることを鋭く指摘している。 もう一点、彼女の真っ直ぐな感覚が発見したものは、ブランキー=浅井健一の歌詞の視覚性だった。僕自身はたとえば「絶望という名の地下鉄」についてもっと未来SF的、パンキッシュな解釈をとるが(『精解サブカルチャー講義』参照)、視覚性を動員した安達さ

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 「mixi」における自己の現代的表現(佐藤 瞳)

  • 阿部嘉昭ファンサイト: ドアーズの雑感(大中真慶)

    【解題】 提出期限より送れて届いた早稲田二文06年前期のロックレポートをここにアップする。 大中真慶君の扱った素材は、ドアーズ。しかも2枚目までだ。そうなるのには当然、理由があって、僕の判断ではドアーズは以後、ジム・モリソンの死まで、そのバンド音楽力を低減させ、またバンド・シンボル、ジムの呪術的存在感もまた不透明な脂質に包まれてゆく。「声」がそうして力を失った点が大きい。ドアーズ型の音楽が長続きしない理由を、ジム個人とバンド力学の双方から吟味するのも一興だろう。 大中君のレポートの第一の手柄は、バンドメンバー個々に「要素」を分解し、ドアーズ的バンド音を分析的に振り返った点。僕がなるほど、とおもったのは、音の隙間こそがドライヴし、そこにジムの発声が載って、その軋みがロック感覚になる--というような大中君の指摘だった。ここで反復の睡魔性の分析が加わって、それがロック音楽構造的な反復性とどうリン

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 高野文子『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』(田村 裕子)

  • 阿部嘉昭ファンサイト: 浅野いにお作品におけるリアルさ、欠落、円環性について(植松 朋美)

    【解題】 僕が植松朋美さんの『虹ヶ原ホログラフ』論に感動したのは、作品がエピソードとする「胡蝶の夢」から老荘思想を精確に持ち出し、かつ、浅野いにおの作品中から人生肯定的な言葉をちゃんと抜き出している点だった。いま書いたのと順序は逆になるが説明しよう。 若いラディカルなコミックファンの一部に、浅野マンガの道学臭を難詰する者がいるのを僕は知っている。彼らは、浅野が「知ったような絶望」を布置しながら、そのなかで希望を微妙なニュアンスで説くのが一種のパターンになっているというのだった。そして絶望/希望がこのようにして中間色で混ざるから、作品は一見現代的なリアルを獲得するようにおもえるが、それにもパターン的作為がつきまとっている――彼らはそのようにも主張するだろう。 このとき、植松さんが引き出した老荘思想の義が大きくものをいうことになる。いわく、「無為自然」。いわく、「万物斉同」。植松さんは老荘思

  • oops-music.com - oops music リソースおよび情報

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  • yomoyomoの読書記録 - 円堂都司昭『ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』(青土社)

    円堂都司昭『ソーシャル化する音楽 「聴取」から「遊び」へ』(青土社) 何度も書いているが、ワタシは著者の(遠藤利明名義の)文章を90年代はじめから読ませてもらっている。つまり彼の長年の読者にしてファンなのだが、それを抜きにしてもこれはお勧めできるである。 書名だけ見て、ソーシャルがどうしたというのを音楽に当てはめただけのなのかと軽く見る人ももしかしたらいるかもしれないが、2010年代における音楽の変容(トランスフォーム)と揺らぎを「音楽遊び」という言葉で読み解いていく第1章「ガジェット化する音楽」に始まり、この書名の必然性が見えてくる。 ワタシは著者よりも10歳年少だが、メンタリティーは完全に古いロックファンのそれで、例えば Music Unlimited で何か聴くにしても、基的にはアルバム単位で聴いてしまう人間だったりする。そうした意味で、書は今現在の「音楽」の捉え方自体を楽し

  • Bon Iver Bon Iver - ele-king Powerd by DOMMUNE | エレキング

    その声と歌は、森の奥から響いた――それが、男が「良き冬」と名づけた物語の始まりである。ノース・カロライナでやっていたバンドがダメになり、恋人と別れ、病気に罹った男は故郷ウィスコンシンに帰り、父親の狩り用のキャビンにたった一人で籠り、心身の傷を静かに撫でるようにして、いちど敗れた音楽の夢を噛み締めるようにして、雪に閉ざされた小屋でひとりで曲を作り、歌った。「愛だけが取り残されて」......。 その男――ジャスティン・ヴァーノンの歌の背後にあった物語は、彼のボン・イヴェールとしてのデビュー・アルバム『フォー・エマ、フォーエヴァー・アゴー』のことを説明するとき、必ず触れられるものである。その痛切な、しかしある種の古風なエピソードは、その音楽の幽玄の美を説明するのに適っていたからである。それは基的には、世の中から逃げるようにして孤独に浸った男が鳴らすには打ってつけの、弾き語りのフォーク・ソング

    Bon Iver Bon Iver - ele-king Powerd by DOMMUNE | エレキング
  • JOURNAL index

    #100(07.12.03)  Nobody knows Music,But I know That's My Life. #099(07.08.28)  2000年代ベストアルバム #098(07.07.23)  10 years of Music Lover 番外編〜SNOOZERの10年 #097(07.06.07)  チャートで振り返るU.S.インディ上半期 #096(07.05.19)  2007年のフェスティバル #095(07.04.15)  誰が為にREVIEWは書かれる? #094(07.03.17)  10 Years Of Music Lover〜モーサム・トーンベンダーの10年 #093(07.02.11)  ニュー・ジェネレーション考 #092(07.02.01)  NEW RAVE vs NEO PROGRESSIVE #091(07.01.1

  • 音楽レビュー:No.22 toe「New Sentimentality」

    を代表する4人組インストゥルメンタルポストロックバンド、toeの2ndミニアルバムです。 ドラムの柏倉さんはthe HIATUSでもドラムを務めていたり木村カエラのサポートとしても有名ですね。 他のメンバーもプレイヤーとして素晴らしい技量とキャラクターを持っていてその化学反応がユニークなバンドアイデンティティに表れていると思います。 個人的にtoeの魅力はアンビエントエレクトロニカからバンドインストゥルメンタルに及ぶポストロック界隈では珍しい情感表現にあると感じています。 情感表現には物凄いざっくりわけて2つ、Christian FennezやNikakoi、ハイスイノナサのようなミニマムで自分を掘り進むような内向きの表現と、Rei HarakamiやEnt、Mice Paradeといった開放感を感じる外向きの表現がありますが、toeの魅力はその内向きと外向きを両方を内包することってよ

    音楽レビュー:No.22 toe「New Sentimentality」
  • 正論を振りかざすことの怖さ、真面目な人が些細なきっかけで壊れてしまうことを学校生活の中で描く - webDICE

    決して高い視聴率ではなかったものの、テレビ放送時より熱烈な支持を集めていたドラマの映画化。河合勇人監督、脚の古沢良太、そして主演の長谷川博己ほか、テレビ版と同じキャスト、スタッフが集結していることもあり、画面のなかにある種の一体感が感じられるところが興味深い。舞台となる学校の生徒役の俳優たちの演技のアンサンブルも自然でリアリティがあり、現在の中学生が抱える人間関係の問題や葛藤に観客がすっと入っていくことができるようになっている。そこにはもちろん、鈴木先生役の長谷川博己の存在感が欠かせない。学園ドラマのいわゆるヒーロー的な超越した存在ではなく、守るもいながら女性生徒に妄想を繰り広げてしまうという人間臭いキャラクターを作り出すことにより、黒縁メガネの奥に眼光鋭く、生徒たちの内面を洞察していく姿に強い説得力を与えている。 (C)2013映画「鈴木先生」製作委員会 生徒会選挙そして文化祭という

    正論を振りかざすことの怖さ、真面目な人が些細なきっかけで壊れてしまうことを学校生活の中で描く - webDICE
  • 「ポップであることを恐れない」覚悟 - インターネットもぐもぐ

    2012年の紅白、紅組トリはいきものがかりだった。「風が吹いている」。 吉岡聖恵さんが堂々としててすごいなあと思った。紅白のトリってものすごいプレッシャーだろうけど、いい意味でいつも通りに見えて凄みすら感じた。NHKのオリンピックのテーマ曲だったこの曲、うちの親でも知ってるし、1回聞いたら覚えちゃう。 いきものがかり 「風が吹いている」|無料動画 GyaO![ギャオ]|いきものがかり|音楽 風が吹いている アーティスト: いきものがかり出版社/メーカー: ERJ発売日: 2012/07/18メディア: CD購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (10件) を見る いきものがかりが何かの番組で言ってた「ポップであることを恐れない」って言葉すごいいいなーとひしひしと思う。変にひねろうとしない、変に背伸びしようとしない。— もぐもぐ(偏愛)さん (@haruna26) 12月 31

    「ポップであることを恐れない」覚悟 - インターネットもぐもぐ
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  • 『PLANETS vol.8』感想――未来は想像力が連れてくる - 日々の音色とことば:

    移転しました。新URLはhttp://shiba710.hateblo.jp/です。ここは更新されませんがアーカイブを置いておきます 正月。久しぶりに実家に帰って、新聞を読んだ。 最近ではすっかりネット中心の情報収集のスタイルになってしまったのだけれど、お正月に届く分厚い新聞をじっくり読むの、好きなんだよね。ぎっしりとチラシが挟まってるのもあるけど、重さが、まずいい。内容も大局的な見通しが書いてあることが多い。「昨日起こったこと」じゃなくて「これから先のこと」が書いてある。特に僕が好きなのは、技術の進歩について解説したり未来予測をしたりしているところ。 だけど、今年は全然ピンとこなかった。「なんだこりゃ」と思ったよ。「わくわく 近づく」と見出しにはデカデカと書かれているんだけど、ちっともワクワクしなかった。 「おじいちゃんとかおばあちゃんが読者ターゲットなんだから仕方ないんじゃない?」 と

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