「とんでもないことができるものだなと思いました」 永青文庫理事長で元総理の細川護煕氏がこう語るのは、2010年12月に配信が開始されたiPadアプリ「細川家の名宝 The Hosokawa Family Eisei Bunko Collection」。同アプリは、旧熊本藩主・細川家伝来の文化財を所蔵する永青文庫のコレクションを、タッチパネルを使ったiPadならではの操作で鑑賞できるものだ。 Web制作などを手掛けるCROSS BORDERSと共同で、アプリのために作品写真を撮り下ろすなど手間をかけて開発。館内展示や紙の図録では難しかった鑑賞スタイルの実現をテーマに、あたかも作品に触れているように巻物をスクロールしたり、茶碗をユーザー自らが回転させられる機能などを盛り込んだ。画像を拡大して細部を見ることもでき、「新しい発見がある」と細川氏は話す。 永青文庫は1950年に細川護煕氏の祖父・細川