航空各社による機内食販売が人気を集めている。新型コロナウイルスの影響で国際線に乗るのが難しい状況が続く中、全日本空輸(ANA)は「機内食を地上でも食べたい」という声が利用者から寄せられたことから昨年12月、初めてエコノミークラスの機内食セットをECサイトで販売した。 同社で提供する機内食のメニュー開発や製造を担当するANAケータリングサービス(ANAC)では通常、エコノミークラス機内食だけで1年間に20種類以上のメニューを開発・提供している。コロナ禍以前、ピーク時には成田と川崎の2工場合わせて1日約3万食の機内食を製造していた(海外航空会社などからの受託製造分含む)が、現在はその1〜2割程度に落ち込んでいるという。 初期販売分は、減便で行き場を失った機内食のフードロス削減という側面もあった。ANACの清水誠総料理長はそのときの思いを、「少しでもお客様に召し上がっていただきたいという願いが叶