「第23回文化庁メディア芸術祭」でアート部門の新人賞を受賞したボイスプレイヤーの細井美裕さん。受賞作品の「Lenna」は、自身の声のみを素材に、2つのサブウーファーを含む24個のスピーカーを用いた22.2chでの音とその空間の響きの関係性を提示する作品として、2019年には、山口情報芸術センター[YCAM]にて22.2chで展示され、NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]では無響室の中で2chで展示され注目を集めた。 また、「Lenna」は作者が著作権を保持したまま受け手によるリミックスや再配布を許可する「クリエイティブ・コモンズ」として公開することで、さまざまな環境での活用を促す“社会実装”を視野に入れた作品でもある。複数のレイヤーが折り重なる「Lenna」が提示するコンセプトと、作曲家およびエンジニアとの協働によって進められた制作プロセスについてお話をうかがった。 「社会