日本にネオリベのポピュリストが登場する必然 フォルタインの栄光と悲劇を、日本でいま起きている政治ドラマと重ね合わせて読んだひとも多いだろう。そしてこれは、たんなる偶然ではない。 戦争と動乱の20世紀が終わると、世界の先進国は過剰な福祉による財政の肥大化という同じ問題に悩まされるようになった。いったん手にした利益は既得権となり、縮小や廃止はきわめて難しい。 日本では90年のバブル崩壊を機に、急速な少子高齢化の到来とも相俟ってこの問題が顕在化したが、欧米諸国では80年代にすでに同じことが起きていた。中央集権型の官僚制国家は、大きくなるパイを分配するのは得意だが、全体のパイが小さくなると機能不全に陥ってしまうのだ。 その間隙を突いて、従来の手法では解決が難しい問題を取り上げ、市民の感情に直接訴えるポピュリズム政党が登場する。オランダでは、社会への同化を拒むムスリム移民がその標的となった。先進的な
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