幸福論―“共生”の不可能と不可避について (NHKブックス) 作者: 宮台真司,鈴木弘輝,堀内進之介出版社/メーカー: 日本放送出版協会発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 43回この商品を含むブログ (64件) を見る 「フィールグッド」をめぐる議論 社会システム論者であり、設計主義的な考えを持つ宮台真司氏と、それにややリベラルな立場から対抗する鈴木・堀内氏との鼎談。緻密な論理と華麗な用語を駆使する宮台氏の発言は、その「地頭の良さ」を感じさせるが、それに裏打ちされたところのエリート主義的発言の感じ方は、まあ人それぞれかも知れない。 この鼎談においてキーワードとなるのは、「過剰流動性」「不安のポピュリズム」「フィールグッド・ステイト」などである。これらの重要性に関し、3者は一定の合意をしているが、その認識の仕方には、それぞれの立ち位置から生じる相違点がみえてく
宮台真司氏が語る 「不安こそはすべてのバックラッシュ現象の背後にあるものです。」 という判断が、いかにしてもたらされるかという論理の流れをたどってみたいと思う。これは直感的にはそうだと思うものである。バックラッシュ現象というものが、そもそも正当な批判活動に当たるものではなく、的はずれのバッシング(攻撃)に過ぎないものだと受け止めれば、それが冷静に行われる可能性が薄いというのはすぐに分かる。つまり何らかの不安があるだろうということも予想するのは難しくない。 だが、これを直感ではなく論理的な帰結として構築するのはなかなか難しいのではないかと思う。物が上から下に落ちるという現象はすぐに分かる。しかし、落下運動がどういうメカニズムで起こるのかという論理的な解明は、ガリレオやニュートンという天才の出現を待たなければならなかった。現象をそのまま記述するのは易しいが、それを理論化するのは難しい。 理論化
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