世界経済の大部分が危機に陥り、消費財だけでなく、これを作る企業や資金を供給する企業への需要も壊滅的に落ち込む中で、市況の影響を受けやすいことで知られる農業が、驚くほどしっかりと持ちこたえている。 穀物と食肉の価格は2008年半ばのピークから下落したとはいえ、なお過去10年間の平均価格よりも30~50%高い水準にある。近年、数々のバブルが膨らんでは弾けてきたが、現在の農業の強さはこうしたバブルの1つではないと信じるだけの根拠がある。 価格の上昇は決して、すべての人にとっての朗報ではない。多くが貧困層に属する農家にとっては喜ばしい話だが、消費者にとっては良くない話だ。 農産物の価格上昇は世界経済の発展の証し 食料価格上昇の一因には、全く意味のない助成金に後押しされ、穀物が食料から燃料に流れるようになったという事情もある。しかし、価格の高さは発展の証しでもある。というのは、価格上昇の最大