事態が切迫した時には苦肉の策が取られる。ユーロ圏は問題を数カ月も先送りした末に、ギリシャを支援する巨額のパッケージをまとめた。ドイツの要請で国際通貨基金(IMF)を呼び込んだことで、ユーロ圏は追加的な資源とより良い救済プログラムを得た。 だが、救済策はうまくいくのか? 残念ながら、筆者は非常に大きな疑念を抱いている。 さて、救済プログラムはどんな内容なのか。大枠を述べておくと、これは1100億ユーロの救済パッケージだ(ギリシャの債務残高の3分の1を多少上回る額に相当)。このうち300億ユーロをIMFが拠出(通常認められる額を大幅に上回る)、残りをユーロ圏が拠出する。これだけあれば、必要とあらば、2年以上にわたってギリシャを市場から切り離しておける。 支援と引き換えに、ギリシャは既に取った対策に加え、今後3年間でGDP(国内総生産)比11%相当の財政再建を約束した。2009年にGDP比13.