(2009年3月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 読者は景気回復の芽が見えてきたとお考えだろうか? 米国の新築住宅販売動向をはじめ、景気の先行指標となる統計が最近安定してきたことに安心感を抱いているだろうか? あるいは、最近の株式相場の上昇が危機の終わりを告げていると思っているだろうか? もちろん、経済成長率は遠からず、テクニカルな理由から改善する。さもないと、年末までに世界経済の大部分が吹き飛ぶことになるからだ。 しかし、一部の楽観的なエコノミストが予想しているように、仮に2010年初頭に景気回復が始まったとしても、景気後退の痛みの大部分はまだ先に待ち受けている。これから世界各地で失業率とデフォルト(債務不履行)率が大幅に上昇する。金融セクターに関しても、痛みの大部分はまだこれから訪れる。 銀行セクターを襲うもう1つの危機 この景気下降局面は、恐慌が恐慌でなくなった後も