国語の教科書にも掲載された「夕焼け」などの詩で、多くの人に親しまれてきた詩人の吉野弘さんが、肺炎のため今月15日に静岡県富士市の自宅で亡くなりました。 87歳でした。 吉野弘さんは山形県の出身で、高校卒業後、会社勤めをしながら、戦後に詩人の茨木のり子さんらが創刊した同人誌「櫂」に参加し、みずからの詩を発表するようになりました。 等身大の人々を見つめた、やさしいことばの詩で知られ、満員電車の中、お年寄りに席を譲る娘の心情に思いを寄せた「夕焼け」や、生まれ、生きることの切なさや尊さを歌った「I was born」は、国語の教科書にも掲載され、多くの人に親しまれました。 また、結婚する2人に贈ることばをつづった詩、「祝婚歌」は、結婚式のスピーチでもよく読まれてきました。 吉野さんは、ふるさとの山形県をはじめ、全国の学校の校歌の作詞も多く手がけました。