蹴鞠は、日本におけるサッカーのルーツと広い意味で捉えられています。Jリーグ開幕前に国立競技場で蹴鞠が披露されたのをご覧になった方も多いのではないでしょうか。 蹴鞠は、中国から仏教とほぼ時期を同じくして伝来したと伝えられています。大化の改新へとつながる中大兄皇子と中臣鎌足の出会いが蹴鞠の場だったことは有名です。その後の長い年月にわたる歩みのなか、日本の文化や伝統によって独自のスタイルを確立し、様式としては東アジアに例を見ない足を使った遊戯に発達します。中国で軍事教練の一つだったものが、日本では勝敗を競うのではなく、鞠を地面に落とさないようにお互いに多くの回数を蹴り続ける遊戯へと変化します。 優雅に蹴り渡しているように見えて、そのために厳しい鍛錬が必要とされます。日々の訓練によってのみ、鞠の変化に対して瞬間的、無意識的に足が反応して動くようになる「足魂」が生まれるのだと13世紀の貴族の秘伝
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