情報システムの事故の中で,最近目立つのはデータの品質に起因したものだ。こうした事態を防ぐには,マスターデータマネジメント(MDM)を強化することが不可欠だ。6月2日に開催した「マスターデータマネジメント・カンファレンス2009」では,コンサルタント,ユーザー企業,IT企業がそれぞれの立場でMDMへの取り組みやソリューションについて語った。 最初に壇上に立ったのは,ITコンサルタントの栗原潔氏(テックバイザージェイピー代表取締役)。基調講演「経営課題としてのMDMとデータ品質」で,MDMの基本や課題を述べた。 栗原氏は「唯一の正しいマスターにあらゆるアプリケーションからアクセスできるというのは理想の話。残念ながら,現実はそうではありません。しかし,理想に近づけることはできます」と指摘したうえで,「MDMはマスターデータにおいて『唯一の真実』を目指すためのテクノロジーと取り組みの総称。組織,プ