共に「前田」の看板を背負う会社同士でなぜ争うのか。ゼネコン準大手の前田建設工業に敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛けられた前田道路が、徹底抗戦の構えをみせている。インフラなどに投資し、運営や保守で稼ぐコンセッションを将来の稼ぎ頭に育成することを目指す前田建設は、道路舗装を手掛ける会社を抱えることは大きな意味があるとして、24%強の出資比率を51%に高めるべくTOBに動いた。一方の前田道路は、その動きに対しキャッシュリッチな自社を子会社化する“口実”だとの疑念を持ち、反発を強めている。その前田道路の今枝良三社長がTOB拒否の思いを語った。(聞き手:奥平 力、武田 安恵) 前田建設によるTOB(株式公開買い付け)を拒否し、次々に対抗策を打っています。まず会社の資産価値が大幅に下がる巨額配当を打ち出し、ほどなくして同業首位のNIPPOとの提携協議入りも発表しました。いずれも前田建設にTOBを