ポイント 同じ日本人でも育った方言環境により脳反応が異なる 言語処理における左優位反応の形成には幼少期の方言経験が関与している可能性 脳と言語発達の知見を深めることで、教育や医療発達分野への貢献期待 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、日本語における単語のピッチアクセント[1]を処理する際の脳活動における左右の半球の反応差が、東京方言話者と東北地方南部方言話者間で異なることを突き止めました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)言語発達研究チームの佐藤裕研究員(現徳島大学准教授)、山根直人研究員、馬塚れい子チームリーダーらと、名古屋大学の宇都木昭准教授、東北大学の小泉政利准教授らの共同研究グループによる成果です。 人間の大脳は左右半球に分かれており、単語や文の文法などの言語情報を処理する際には脳の左半球優位の反応が現れます。このような脳反応は、幼少期から言語を学