「かなり成功するのではないか」。1カ月前、工程表の実現に自信を見せていた東電の勝俣恒久会長。だが、東電は今月に入って1号機で全炉心溶融(メルトダウン)を認め、2、3号機でも全炉心溶融の可能性があると明らかにした。想定より事態は悪化。わずか1カ月で工程表の前提が根底から崩れたことになる。相次いだ「誤算」を受け、工程表はどう更新されたのか。 ■原子炉冷却 東電が工程表実現への「一番の近道」とする冠水(水棺)作業が最初に始まり、「トップランナー」(経済産業省原子力安全・保安院)とされた1号機で、全炉心溶融という大きな壁にぶつかった。 予想以上に炉内の水位が低いことが判明。燃料棒が溶け落ち、圧力容器下部が損傷しているとみられ、専門家も「圧力容器に穴が開いているなら、もう打つ手がない」と指摘する深刻な事態に陥っている。