大都会の地下施設、未来の研究所、古の近代建築、パワフルな重機、空飛ぶ航空機などカメラを手に日常の舞台裏に潜入した調査報告
February 26, 2012 欠如モデルの由来と発展(その3) (承前、今回でおわりです) 5 欠如モデルCの用例 さて、以上の分析では、欠如モデルB(公衆の科学理解をどのように増進するべきかについてのモデル)や欠如モデルC(科学者への不信などの問題を解決するためのモデル)だとはっきり言えるものは見当たらなかった。特に、現在の日本でもっとも優勢であると思わ れる欠如モデルCが1996年の段階になってもすっきりした形であらわれないのは気になるところである。欠如モデルCはどこから出てきたのだろうか。 小 林は典拠として「Wynne 1995」を挙げている。これはHandbook of Science and Technology Studies の「公衆の科学理解」の項へのレファレンスである(Wynne 1995)。しかし、この論文で Wynneは欠如モデルという言葉を明示的には使ってい
February 26, 2012 欠如モデルの由来と発展(その2) (承前) 3 その他の初期の用例 初出のはっきりしなさにもかかわらず、90年代前半に、欠如モデルという言葉は、Public Understanding of Science誌 (以下PUS誌と略)を中心として、多くの論者が使う言葉となっていく。その用例のいくつかを確認しておこう。 3-1 Durantらの理解 ZimanとWynneの次にはやい言及としては、Durantらによる言及がある(Durant et al1992) 。 本稿で紹介する他の論者らと違い、Durantらはむしろ欠如モデルを擁護する側からこの言葉を利用している。Durantが欠如モデルの初出時のワークショップに出席して批判に答える側だったことを考えるなら、彼が欠如モデルをどう理解したか、というのは、欠如モデルがもともとどういう意味か、という問いにおいて
February 23, 2012 欠如モデルの由来と発展(その1) 科学技術と社会の関わりを論じる場面で「欠如モデル」という言葉をよく目にする(しない?)が、一体どういう意味なのだろう。いや、典型的な用法は知っているけれども、もともとどういう意味の言葉として導入されたのだろう。そういう素朴な疑問からちょっと調査をしてみたので報告しておきたい。 以下の記述は、科学技術社会論は何についてどういうことを言っている分野か、というくらいの知識は持っていることを前提に書いている。その意味では、「欠如モデル」という言葉をすでに何度か耳にしたことがある人が対象である。まったく聞いたこともない、という方は以下に挙げる教科書などをちょっと見てから読んでいただかないとなかなか理解が難しいだろう。 けっこうな分量になってきたので今回は「その1」ということで最初の部分だけ掲載する。文献情報は最後にまとめて掲載する
前回からだいぶ間があいてしまいましたが、『模型は心を持ちうるか』を読んで驚いたことがあるので書いておきます。それはプレディクティブ・コーディングに近い考え方をブライテンベルクが持っていたことです。 13番目に登場する模型は予測(本書では予見または予言とよばれている)装置を持っています。この装置は環境が移り変わる規則と同じような規則で常に環境の変化を予測しています。予測と環境からの入力が食い違う場合が起きると、環境からの入力を信じるようにスイッチが切り替わります。そして今後もっと予測がうまく行くように装置を学習させる機構が働きます。プレディクティブ・コーディングでは予測と入力のオンオフで切り替わったりしませんが、本質的なアイディアは似ています。 この装置がプレディクティブ・コーディングと最も異なるところは、予測と入力が異なると判断をした後で入力を信じなくてはならなくなっときに、その入力がすで
ブライテンベルク著 "VEHICLES : EXPERIMENTS IN SYNTHETIC PSYCHOLOGY"の邦訳『模型は心を持ちうるか―人工知能・認知科学・脳生理学の焦点』を紹介する。もう既に古典と呼ばれる本かもしれない。だが心を機能的に理解したいと思っている人には一読の価値があると思う。 この本は2部構成になっている。1部ではモーターとセンサーがついた単純な模型で生物の行動を模倣させることを考える。徐々に新たなメカニズムを追加していって、より複雑な行動を模倣させていく。2部ではそのメカニズムの根拠となった神経科学、心理学的な知見を紹介する。結局、最後まで邦訳の題名に対する答えは載っていないが、心を理解するために欠かせない重要なアプローチが本書を通して書かれている。つまり構成的な方法である。 1部で登場する模型は1号から14号までの14種類である。1号はもっとも単純な模型で、ひと
テクノロジー イルカ、トンボ、ネコ、アホウドリの生態が白物家電を変える! ~シャープが挑む「生態模倣学」の成果を追う
「R単体だと遅いので計算のボトルネックはC++で書くようにすればいいんじゃないか、せっかくそのためのRcppなる便利パッケージもあるし」とずっと思っていたものの毎回インストール方法を調べることすら億劫がってやっていなかったのですが、前回の記事に書いたバイブル本にその辺りも書いてあったので、ここで一発奮起してやってみることにした。 まずは導入編ということでRcpp・inlineを使うための環境のインストールから。手元のOS等の環境は windows 7(32bit) R-2-14-1が既にデフォルトのインストール先(C:\Program Files\R\R-2.14.1)にインストール済み とりあえずC++コンパイラ等を勝手に入れてくれるツール・Rtools.exeが必要なので最寄りのミラーである筑波のミラーサイトから自分のインストールしているRのバージョンに合わせたものをダウンロード*1&
最近発刊されたR言語使い必携の書 をパラパラ読んでいるのですが、そこにcompilerパッケージ*1の使い方も書いてあって、これを見た限りcompilerパッケージを使ってコンパイルした関数はコンパイルしてないそのままの関数よりも10倍程度速くなってるっぽいので、やってみようと。そしてRでも速度的にやっていけるのかを見極めたい。 金融系での応用を念頭に、サンプルに使用する関数は以前書いたブラウン運動のパスを生成する関数とした。 4行で書くブラウン運動のパス - My Life as a Mock Quant まずはパッケージの読み込み&関数の生成をして・・・ library(compiler) #ブラウン運動のパスを返す関数 BrownianPath <- function(number.of.path, number.of.time) { apply(matrix(rnorm(numbe
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