(英エコノミスト誌 2013年1月12日号) 先代から受け継いだ遺恨は北東アジアの不安定な国際関係を一層複雑にするかもしれない。 世襲による君主制はすっかり流行遅れとなったが、アジアの大部分では、政治的なリーダーシップはいまだに家業のままだ。インド、バングラデシュ、パキスタン、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイはいずれも、公式ないし事実上、元指導者の息子や娘、配偶者、姉妹が指導者の座にある。 とはいえ、政治における世襲の根強い伝統が最も興味深い意味合いを帯びるのは北東アジアだ。この地域の緊張の根底には歴史の解釈に関する対立がある。2012年12月に日本と韓国で実施された選挙の結果、両国は中国、北朝鮮と同様に、問題の歴史において大きな役割を果たした人物の子供あるいは孫が政治指導者を務めることになった。 4人の指導者が父祖から受け継いだ責務をどのように解釈するかが、北東アジアの緊張の今