TBS系日曜劇場で放送されたテレビドラマ「VIVANT(ヴィヴァン)」が高い視聴率を記録した。海外で活躍する自衛隊の秘密部隊「別班」の姿をみて、お茶の間では「別班は実在する」「しない」という話題も持ち上がった。ところが、お隣の国では随分と様子が異なる。 「韓国では大勢の北朝鮮スパイが暗躍している」。これは、韓国政府当局者らが確信を持って語る言葉だ。古くは朝鮮半島分断のどさくさに紛れて韓国に定着した。日本人や韓国人になりすまして入り込んだスパイもいる。2023年7月にソウル近郊の水原(スウォン)地裁で公判が始まった「全国民主労働組合総連盟(民主労総)」関係者によるスパイ事件は、韓国人自らが北朝鮮に共鳴してスパイに身を落としたケースだった。裁判の起訴資料を分析すると、北朝鮮スパイの様々な横顔が見えてくる。(牧野愛博) この事件の特徴は、韓国捜査当局が過去最大規模の約90件にものぼる、北朝鮮から