静岡県側の富士山登山口で登山指導や観光案内を行った「富士山ナビゲーター」が夏山の閉山に伴い業務を終えた。山開きから約2カ月間、昼夜を問わず登山客を見守り続けた“目”から富士山の観光地としての改善点や観光客増による環境破壊と、富士山が直面するさまざまな問題が明らかになった。(玉嵜栄次)頂上行きのバス? 「頂上行きのシャトルバスは、どこで乗ればいいのですか」 富士山5合目の御殿場登山口。ナビゲーターの女性にこう尋ねるインド人男性の姿があった。男性はビジネススーツ姿。女性から「頂上までは歩いて登るしかありません。そんな軽装での登山は無理ですよ」と教えられると、残念そうに肩を落として山を後にしたという。 「富士山がどういう山なのか、外国人観光客に伝わっていない。今後、これまで以上に外国からの客が増えることを考えれば、インターネットを使った情報発信の仕方を工夫しないといけないのではないでしょうか」