格式の高い、とある茶会のシーンをイメージしてください。しわぶき一つたたず、シュンシュンと釜から昇る湯気の音だけが聞こえてくる凛とした空間。あなたはそこに並んで座るやんごとなき淑女の1人です。 その時、突如、携帯電話にどうしても出なくてはならない瞬間があなたに訪れる。そんな場所に携帯電話を持ち込むなんて非常識な・・・というツッコミが聞こえてきそうですが、無理な設定を承知であえて想像してみてください。さて、あなたは和服の懐から取り出した携帯電話を、どのように開き、どのように耳にあてがうでしょうか。 私が何人かの女性からヒヤリングした結論はこうです。まず、両手を添えて大切な蒔絵の文箱を開くように携帯電話を開きます。そして、しずしずと耳にあてがう。大切なのは、携帯電話を持っていない方の手の行き場所です。恐らく、空いた方の手も携帯電話に軽く添えるのではないでしょうか。 日本文化における丁寧で上品な行