これが、「オタク丼」。丼手前から、炙りトロ、マグロ、玉子、アナゴ、とびっこ。この下にさらに、めくるめく魅惑の顔ぶれが……。 ふと目にとまった看板に、こんな文字がおどっていた。 「オタク丼」。すぐ下には「アキバ名物」とも書いてある。そして、いかにもな「アニメ絵」の美少女イラスト。 パッと見、また新しいメイド喫茶のフードメニューかなあ、と思う。もしくは、「牛丼パソコン」の類の激安パソコンやパーツの名称か。 しかし、見るとそれはちゃんと海鮮丼であり、看板を出しているのはれっきとした寿司店である。しかも、わざわざ「アキバ名物」とうたったり、「萌え」なイラストを添えている店にもかかわらず、店構えはむしろ渋めの江戸前の寿司店である。 気になる。食べてみた。 のれんをくぐると、ちょうどお昼どきということもあって、店内はかなりにぎわっている。しかも、「オタク丼」的イメージからはほど遠い、いかにもランチタイ