世界の中大型トラック市場で、地殻変動が起きている。中大型トラック(車両総重量5トン以上)の新興国で販売される割合が、リーマン・ショックを境に、世界全体の75%を超えた。4台のうち3台以上が新興国で販売される時代の到来だ。 新興国にとって、中大型トラックは急増する運輸需要を支え、道路や都市など社会インフラ整備に不可欠な必需品。片やインフラ整備が一巡した先進国は、ITによる運行や荷役管理で、需要は縮小傾向にある。 また、新興国市場における中大型トラックの価格は、先進国の同クラスモデルの3分の1から5分の1。先進国のように高速安定性能や厳しい安全・環境性能が不要だからだ。むしろ、悪路や冠水時の走行など厳しい使用環境に耐えることが要求される。 これまでの中大型トラック市場は、先進国メーカーが自国市場を中心に強固な販売基盤を形成し、得意市場をすみ分けてきた。新興国の需要増大には、先進国で古くな