福島県立医科大の付属病院で大動脈瘤(りゅう)の治療を受けた患者30人が、公的医療保険でカバーされない部分の、人工血管の費用計約1000万円を、研究費名目で寄付していたことが22日、分かった。 30人の治療は、公的医療保険が適用される保険診療と、患者全額負担の自由診療を併用する「混合診療」に当たる可能性があるが、人工血管を使う医療は混合診療の対象外。混合診療以外では、自由診療を受けると保険適用分を含め全額患者負担となるため、研究費名目の寄付は、全額患者負担を回避する目的があったとみられる。 医科大では「強制ではなく患者からの寄付金として受け取っている。大学の研究費から保険適用外の医療費を出していると研究費が底をついてしまう。寄付をもらうことで患者は(全額の)支払義務を負わずに済む」としている。