東京・上野公園でテントを張って生活するホームレスの人たちが高齢化し、厳しい冬を迎えている。自立支援センターに入所するなどして、全体では二年ほど前の三百人超から約六十人に減ったが、高齢のホームレスは、そうしたセーフティーネットからこぼれやすい。師走の公園で、ブルーシートで寒さをしのぐお年寄りの姿を見た。 (出田阿生) 五年ほど前からテント生活を送る小林国夫さん(67)は先週、交通事故に遭い、頭を二針縫うけがをした。目が悪い上に年齢のせいで歩くのが遅く、赤信号に変わった横断歩道で車にはねられた。 北海道出身。上京し工事現場で働いていたが、持病のぜんそくなどで働けなくなり、ホームレスになった。額の縫い目は生々しく、足は打撲傷で紫に変色している。「こんな足だから歩けなくて」と弱々しく笑った。