山口県光市の母子殺害事件で、殺人や強姦致死などの罪に問われ、最高裁が無期懲役の2審・広島高裁判決を破棄した元会社員の男性被告(27)=事件当時(18)=の差し戻し控訴審判決公判で、広島高裁の楢崎康英裁判長は「被告は死刑を逃れるために虚偽の弁解をしており、反省の態度はみられない」と述べ、無期懲役(求刑・死刑)とした1審・山口地裁判決を破棄、被告に死刑を言い渡した。 事件発生から9年を経て4度目となる判決で、初めての死刑宣告。犯行時18歳だった被告に高裁レベルで死刑が言い渡されるのは、最高裁に記録が残る昭和41年以降3人目で、近年の厳罰化の流れを反映した司法判断となった。弁護側は上告した。 楢崎裁判長は判決理由でまず、被告の供述が差し戻し前の1、2審と現在とで変遷した理由について検討。「起訴から現在の弁護人が選任されるまでの6年半以上もの間、それまでの弁護人に一度も現在と同様の供述をしていない