絶滅の恐れがある四国のツキノワグマは、本州産とは異なる独自の遺伝的特徴を持つことが、九州大大学院自然保全研究室の小池裕子教授らの研究で分かった。約5万年前に本州産から分かれたと推定され、希少性が高く、自然保護団体などは本格的な保護活動の必要性を訴えている。 四国のツキノワグマは徳島、高知両県にまたがる剣山に十数頭から数十頭生息。保護を目的に調査しているWWF(世界自然保護基金)ジャパンなどが平成17年から、うち4頭に電波発信機を装着して生態を研究している。 小池教授らは、この4頭の血液サンプルと、過去に捕獲した7頭の組織片からDNAを抽出して分析。その結果、6頭から本州では見られない独自の遺伝子タイプを検出し、86%の確率で本州産とは異なることが判明した。 四国のツキノワグマはこれまで、瀬戸内海ができて四国が孤立した約1万年前に本州から移ったとされてきた。しかし、本州産の遺伝子と比較して進