(2011年10月13日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 10月初旬、トーマス・サージェント教授とクリストファー・シムズ教授にノーベル経済学賞が授けられたことで、米国は今年も再び受賞数で最大のシェアを獲得した。米国市民は7つの賞を受賞(厳密に言えばノーベル賞ではない経済学賞を含む)しており、ノーベル賞に対する米国の支配はほとんど衰える兆しが見えない。 だが長期的には、米国の支配は衰える運命にある。ドイツも第2次世界大戦前は同じようにノーベル賞で圧倒的なシェアを占めていたが、同国の最も優れた科学者の多くが戦後海外に移住したことや、20世紀後半に連邦政府の資金援助を受けた米国の研究大学が台頭したことで、この流れに終止符が打たれた。 今、中国を筆頭とするアジア諸国が基礎研究に巨額の資金を投じているため、最終的には互角になるだろう。 自国の衰退に巨額の投資をする愚 だが、米国はこうした傾向を遅ら