国会議員の「世襲制限」を総選挙の公約とするかが与野党ともに焦点となっている。現在、自民党全体の約4割が世襲議員である。政治家の息子が親の地盤を継承して政治家になるのが当たり前となり、能力があっても庶民が政治家になるのが困難であることに批判が集中している。 「世襲議員」とは、基本的に親族が作った選挙区での地盤をそのまま継承して選挙に当選した政治家のことを指す。但し、笹川堯氏や石原伸晃氏など地盤を引き継いでいない場合でも親子などの親族関係があれば世襲議員とみなす場合もある。要するに、マスメディアや識者などが「世襲議員」を取り上げる際、その時々でその範囲がバラバラであり、そのために少々議論が混乱しているようだ。そこで今回は、「世襲議員」の中で、特に「閨閥議員」について考えてみたい。 かつて、総理大臣に「世襲」はいなかった。 「世襲」という観点から戦後の歴代内閣総理大臣を振り返ると、吉田茂氏