ギリシャ債務問題が再燃し、欧州経済への不安が高まっている。日本もそれをきっかけに円高が進行し、7月12日には終値は1ドル78円台半ば、1ユーロ110円台後半と、現在も東日本大震災発生直後のような高値が続いている。昨年春のギリシャ危機以降、同国には欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)による支援が行われてきたが、今なぜ再びギリシャ債務問題への懸念が高まっているのだろうか。その背景にある支援スキームと欧州の共通通貨・ユーロ自体が抱える問題点とともに、ギリシャ問題が今後の世界経済、そして震災復興に動き出した日本経済にどのような影響を及ぼす可能性があるか、日本総合研究所 欧米経済市場グループ長の牧田健・上席主任研究員に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン 林恭子) 緊縮財政が景気悪化を招き、財政赤字はより増加 悪循環に陥ったギリシャ、アイルランド ――現在、ギリシャ債務問題が混迷を深め