欠けるサービス精神 鳴りやまないカーテンコール。一度は舞台袖に帰った指揮者が何度も呼び戻され、楽員と一緒に笑顔で応える。ところが午後9時ごろになると楽員同士が目配せを始め、舞台を去っていった。 「あと1曲アンコールをしてほしいのに『超過勤務になるから』と断られた。サービス精神があまりにも欠けているのではないか」。コンサートを依頼した興行主は憤った。 大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)のコンサートの一幕だ。 大フィルの楽員の勤務時間は1日6時間だが、午後9時を過ぎると15分間で約2千円の超過勤務手当が発生する。 興行主は「どこのオーケストラにも組合があるのは知っているが、大フィルの組合は特権意識が強すぎる。フィナーレの大切な時間帯に残業手当を設けること自体が問題」と疑問を投げかける。“特別扱い”も今や昔 平成20年、橋下徹氏が大阪府知事に就任し、大阪センチュリー交響楽団(当時)の補助金