ブラック企業といえば、IT系・ベンチャー系企業の専売特許のように言われてきた。しかし、最近は名の知れた老舗・同族大手企業にも、そのような実態がある。昨年事件になった大王製紙を皮切りに、知られざる内部事情を暴く ◆勤務態度の監視や熾烈な出世争いに鬱社員も続出 「社内でマイナス査定されて出世競争から一度でも外れたら、あとに残るのは定年までの転勤地獄。皆、生き残りに必死だし、ライバル同士の足の引っ張り合いも、そこまでするかってぐらい、えげつなかったですね」 そう語るのは、明治時代から続く生保会社で総合職だった、星野拓真さん(仮名・30歳)。8割近くを占める営業の女子社員を除いて、残り2割の総合職に就くのは、東大を筆頭に国立大出身のエリートばかり。そんな環境に加え、個々の働きぶりに対する社内の監視も異常に厳しく、皆ポイント稼ぎにしのぎを削っていたという。 「例えば、出社ひとつ取っても、始業は9時か