*本稿は、『週刊エコノミスト』 2014年7月15日号(発行:毎日新聞社)に掲載されたものを、同編集部の承諾のもと掲載しております。 みずほ情報総研 主席研究員 藤森 克彦 おひとりさまが増えている。若者の一人暮らしだけではない。配偶者と死別した高齢者や、未婚の中高年男性の一人暮らしが急増している。 結婚をして同居家族がいることを「標準」としてきた日本社会において、単身世帯の急増は衝撃であろう。しかし、これは個人の生き方や家族のあり方が多様化していることの象徴でもある。一方、これまで世帯内の助け合いが生活保障の大きな役割を果たしてきたので、単身世帯の抱えるリスクに対して社会としての対応を考えていく必要がある。 単身世帯を考察することは、現在、家族と暮らしている人にとっても無関係ではない。なぜなら、誰もがおひとりさまになる可能性があるからだ。例えば、配偶者との死別や離婚などによって、将来おひ