「私が過去、犯してしまったパワーハラスメントについて取材してくれませんか」 古澤健監督から異例の申し出があった。「話の流れ次第では批判的な記事にする」という条件で、自分は古澤監督への取材を受け入れた。 古澤健監督といえば、橋本愛や武井咲など、人気俳優の主演映画を手がけてきた監督だ。それほどメジャーな現場でハラスメント被害があったこと、しかも、加害者からの告白があったこと、いずれも驚きだった。 正直、加害者側が自らの罪を告白することに対し、「保身」「自己弁護」と捉える向きはあるだろう。この記事自体が被害者への二次加害になるかもしれないし、そう思う読者を自分は否定できない。 それでもこの記事を書いたのは、商業映画の第一線で活躍している監督が、ハラスメントの行われた状況を詳しく語った事例はあまりにも少ないからだ。2022年に入り、毎日のように問題が発覚している映像業界。その現場で何が起きているの
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