【新国立競技場】誰のための競技場か サブトラックなく、常設8万席も崩れ聖地足り得ないのに、整備費は膨らんでいく 最後に口を開いた日本サッカー協会の小倉純二名誉会長の言葉に、場の空気が変わった。 「このままでは新しいスタジアムを使ってもワールドカップ(W杯)は招致できない」 仮設に変更された一部観客席について、当初計画通り可動式に戻すことの確約をJSCに求め、「そうでなければ、この案に反対せざるをえない」と語気を強めた。 国際サッカー連盟のルールで、男子のW杯招致には常設で8万人収容のスタジアムが必要となる。小倉氏は「W杯のメーンとして使えると話して(関係者に)招致活動をしてきた」とし、改めて公約実現を迫った形だ。 これに慌てたのがJSCだ。河野一郎理事長は「W杯招致に支障がないよう、少なくとも2020年が終わった後、常設化に向けて検討する」とした上で、20年大会前の検討をにおわせた。 基本