⚫︎『こどもが映画をつくるとき』(井口奈己)を観た。これは素晴らしかった。ぼくはどうしてもキアロスタミが(すごいとは思っても)好きになれないのだけど、これを観て、その感情は間違っていないと思うことができた。 この映画を観ていると、「子供」というのは、人格の全裸状態というのか、その人がその人であることを、照れも抑制も恥ずかしげもなく、そのままずるっと丸出しにしているような状態としてあるのだなと感じる。そして、この映画に出てくる大人、ワークショップの指導者である「おーちゃん」と「ふかちゃん」は、その全裸状態を、可能な限りそのまま受け入れる。こどもがやりたがらないことについて、「ちゃんとやりなさい」みたいなことは一切言わず、こどもが受け入れ可能でありそうな別の提案をするか、やらないならやらないに任せるかする。事故に遭わないとか、迷子にならないとか、喧嘩にならないとか、見守りながらそういう最低限の