宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2022年10月12日に発生した「イプシロン」ロケット6号機打ち上げ失敗の原因についての調査結果を公表した。ロケットの姿勢を制御する小推力の液体ロケット推進系で、推進剤を搭載するタンク内のダイヤフラム(液体推進剤と加圧用高圧ガスを隔てる半球状のゴム膜)で、製造ミスによって気密が破れ、推進剤が漏れていたのが原因と突き止めた。2023年4月18日に開催した文部科学省宇宙開発利用に係る調査・安全有識者会合で報告した。 トラブル部位と原因の確定を受けてJAXAは、今後の対策も公表した。イプシロンロケットは推進剤が漏れていたタンクの設計を見直す。一方、同種のダイヤフラムを持つタンクを使用している衛星・探査機については、設計と製造を再点検して問題がないことを確認したと明らかにした。 製造ミスでダイヤフラムの気密が不完全に イプシロンロケット6号機は、2022年10月