2017年2月16日のブックマーク (1件)

  • 魔物の棲む家 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 唐土(もろこし)の話でございます。 かの国の晋王朝の時代のこと。 呉興ト申す地に百姓がつつがなく暮らしておりました。 この者には息子が二人ございまして。 どちらも周囲が羨むほどの孝行息子でございましたが。 ある時、二人の息子はこぞって畑を耕しておりました。 「おい、小二」 ト、兄が弟に切り出した。 「何です」 「お前、夕べのこと父さんに謝ったのか」 「夕べのこととは、一体何です」 弟はキョトンとして兄を見る。 兄はその態度に思わず、ムッと腹を立てまして。 「おい、白を切るとただじゃおかないぞ」 ト、弟をギッと睨みつけた。 「何のことです。さっぱりわけが分かりませんが――」 弟は困惑して、兄を見た。 「それなら、俺から言ってやろう。夕べ、父さんが俺の部屋に来た」 「それで」 「それで、だと。ますます忌々しい奴め。父さんが俺に言うじゃないか。小二が近頃、夜遊びがひどくて

    魔物の棲む家 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2017/02/16
    「捜神記」より