2017年12月25日のブックマーク (1件)

  • 蛇女房 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-

    こんな話がございます。 木曽の山中、人里離れた静かな森に。 木こりが一人住まっておりまして。 枝木を伐って暮らしを立てているトいう。 貧しい山男でございましたが。 与市ト申すこの者は、三十路を過ぎてなお独り身で。 ト申しますのも、早くに二親に死なれてしまい。 父親の商いを、見よう見まねでやってまいりましたので。 もう十幾年も、今日うのに精一杯で。 嫁取りはおろか、人付き合いもろくにしたことがない。 今日も今日とて、形見のナタを腰にぶら下げまして。 通い慣れた獣道を、奥へ奥へト歩み進んで行きますト。 突然、目の前にぱっと広がりますのは。 深い谷ト遠くの山々まで一望する。 崖の上からの景色でございます。 近頃、与市は毎日ここまでやってまいり。 日暮れまでずっと木を伐っておりました。 ここでナタをふるいますト。 カーンカーントいう甲高い音が。 谷底に大きく響きます。 するト、寂しく暮らす与市に

    蛇女房 | 砂村隠亡丸の余苦在話-よくあるはなし-
    onboumaru
    onboumaru 2017/12/25
    岐阜の民話より