本コラム「イノベーションを斬る」でも繰り返し指摘されているように、日本企業は「価値づくり」に問題がある。日本のエレクトロニクスなどに顕著な問題は、「技術力は高いが、顧客が求めていない技術をしのぎを削って開発競争しており、本当の価値を創れていない」という点にある。 しかし、本当に、この「技術力は高いのに・・・」という前提は正しいのだろうか。また、今後も日本は高い科学技術力を保ち続けられるのだろうか。 日本企業は、サービスや製品の付加価値を高めていかなければ、競争優位を失い続けてしまう。そして、この高付加価値化において重要な基盤となるのが、「科学技術力」である。最近、バイオテクノロジーやエレクトロニクスに代表されるようなサイエンス型と呼ばれる産業が注目を集めている。そこでは、基礎的な科学技術力が重要な役割を担っている。 もちろん、科学技術力は競争力の一輪であり、それを価値へとつなげる戦略がなけ
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