欧州の市民の多くは、5年に及ぶ苦難の歳月を経て、政治階級を丸ごと地獄の業火に送り込んで苦しめてやりたいと願っているに違いない。あいにく、5月22~25日に行われる欧州議会選挙の投票用紙には、地獄行きの選択肢は含まれていない。そのため、恐らく記録的な数の有権者が、投票所に足を運ばずに済ませることだろう。 投票に行く有権者の多くは、ポピュリストと過激主義者を支持する人々だ。大まかに見れば反欧州派に分類される政党が、全体で4分の1を優に超える議席を獲得するかもしれない。 フランスの国民戦線、オランダの自由党、英国の独立党は、過去最高の票数を得る可能性が高い。そうなれば、各国内で政治的な騒動が持ち上がるはずだが、それは欧州連合(EU)に対する非難でもある。有権者の多くは、EUというプロジェクトを、困難と失敗に結び付けて考えるようになっている。 欧州の政治指導者たちは、選挙結果を無視したい誘惑に駆ら
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