少し前のことになるが、日本通信がNTTドコモを相手取り、パケット接続料の算定式の変更などを求めていた裁判が決着した。東京地裁は2015年11月27日、日本通信の請求を棄却。日本通信は控訴せず、NTTドコモの全面勝訴で終わった。 パケット接続料とは、MVNO(仮想移動体通信事業者)が携帯電話事業者から設備を借りる際に支払う料金のこと。NTTドコモが勝訴したことで「格安SIM」に代表されるMVNOの料金が高くなるのではないかと心配するかもしれないが、直接的な影響はない。今回の判決を踏まえ、接続料の算定方法が変わるわけではないからだ。足元ではスマートフォンの普及による通信量拡大で単価の下落(接続料の低廉化)が進んでおり、当面はこの傾向が続くとみられる。 では、なぜ裁判の話を取り上げるかというと、日本通信が興味深い判断を下したからだ。裁判はNTTドコモの勝訴で終わったが、総務省の新方針により、接続