これと同様の声が、柔道指導者からも聞かれる。 バルセロナ五輪男子柔道86キロ級銅メダリストで筑波大学体育系准教授の岡田弘隆さん(53)は、日本と他国で違いが生じている理由を「指導者の問題であることは間違いない」と話す。 柔道クラブ「つくばユナイテッド柔道」を2008年に設立。少年柔道の指導、普及に尽力するなかで「一部の指導者に安全に対する配慮が足らないのではないか」と感じている。 「安全な指導は、最初に受け身を徹底することが肝心。指導者が上手に投げてあげて、たまに上手に投げられてやる。そのときに子どもは一本を取る喜びや楽しさを味わえる。そんな指導を身に付けなくてはいけないが、目の前の子どもを早く強くしたいと焦るとそこを飛ばしてしまいがちだ。そうするとそこに危険が生まれる」(岡田さん)。 全柔連は2013年にそれまでなかった指導者資格制度を作り、重大事故総合対策委員会を設けるなど安全対策を講